年長で登園しぶり。分離不安が高い時どんな言葉をかけどう対応する?

メンタルヘルス

我が家の次男坊、てんちゃんの登園しぶりはつづいていますが、4月当初と比べたら、ずいぶんましになってきています。てんちゃんは、もう年長。年長なので、だましだまし登園させることが非常に難しいです。そのため、年長で登園しぶりが大爆発したてんちゃんに、私が試みてよかったなと思うことを紹介したいと思います。登園しぶりの理由も対応法も、お子さんによって違いますが、どこかで誰かのお役に立てれば…と願っています。

先日、登園しぶりへの対応についてシェアさせていただいたのは、こちらです。
まだ読まれていない方は、そちらを先に読まれることをおすすめします。
https://no-rain-no-rainbow.net/doesnt-want-go-to-preschool/

登園しぶりの理由は?こっそり探ってみよう

まずてんちゃんの登園しぶりへの対応を考えるうえで、最初にしたことは、てんちゃんをよく観察し、てんちゃんが具体的に何を嫌がっているのかについて私なりの見立てをたてることでした。

登園拒否や不登校はめずらしい悩みではありません。そのため、これにまつわる情報は、書籍・ネット・SNSなどいろいろな所に溢れていて、簡単に入手することができます。そこにはいろいろなアドバイスが書かれています。見つけたアドバイス通りにやってみて、すっとうまくいくこともあれば、まったくそうでないときもあるでしょう。つまり大切なことは、どのアドバイスが正解かではなくて、目の前のお子さんに合った方法をみつけることです。

そのために欠かせないのは、お子さんなりの理由探しをすることです。

理由探しをする。
子ども本人に聞いてみることも大切です。
でも矢継ぎ早に聞くのはやめましょう。

理由を探る前に、ペラペラ自分の気持ちを話してくれる場合はラッキー。だけどそんな子ばかりではありません。ただただ泣いて登園拒否するけれど、何が嫌なのか一切言ってくれなかったり、または逆に、思いつくものすべてを嫌だと言って、結局何が本当に嫌なのかわからないこともあります。ちなみにてんちゃんが言った保育園に行きたくない理由なんだと思います?

「ぜんいんぶさいくやから」

んなわけないやろーーーーー!!!
そんなこと言うお前が一番ぶさいくじゃーーーーー!!!

と言いたかったけど、必死で自粛しました。
てかさー、なんかそんなこと言ったら、まるで親である私が、家で日頃から、「あの人はかわいいね、あの人はぶさいくだね」って外見の話しまくってるみたいやん!
言うとくけど、一切してないし!!!そもそも「ぶさいく」っていう言葉知ってたのね…というレベルやのに…。なんか嘘でもはったりでも、その場しのぎでも、そんな理由思いついたことが、母としてめちゃショックやわ…。

てんちゃんのはったりは置いといて、そう理由を探るって、なかなか簡単ではない。
だから、そのために必要なことは、お子さんとの何気ない時間を過ごすこと、そしてよく観察することです。

ママから離れたくない!母子分離不安はどう解決?対応法は?

てんちゃんの場合は、転園したばかりで、新しい環境に対する不安があったことは間違いありません。しかし、それ以上に私が感じたのは、「私から離れることへの不安」を強く感じていることでした。

いやゆる「母子分離不安」というものです。
母子分離不安は、悪いことではありません。乳幼児期に、ママから離れることに不安を感じることは、正常なことで、ある意味、しっかり愛着が形成できている証拠でもあります。

しかし、この時のてんちゃんは、正常範囲を明らかに超える不安の高さでした。狭い家の中でも、私がちょっとてんちゃんの視界からみえなくなると、「ママー!!!!!!!!」と恐怖におびえた顔で私を探しに走ってきました。車を運転していて、目的地に到着したとします。私がてんちゃんが座っている後部作責のドアを開けてあげようと、自分がまず運転席からおり、運転席のドアをしめて、後部座席のドアを開けようとしたそのわずか数秒の間に、てんちゃん号泣していました。ドアがしまった閉塞的な空間にママがいなかったという不安でした。

これはおかしい
てんちゃんの不安が、正常範囲をはるかに超えていることに気付きました。

そんな中での登園しぶり。

「誰でも新しい環境では不安よね~。しばらくしたら慣れるよ~」
「朝は泣いているけど、泣いてても離れておいていったら、そのうち遊び始めて、ママのこと忘れてるよ~」
というレベルではないと判断しました。

確かに、新しい環境にはしばらくしたら慣れるだろうし、泣いてても引き離してもらっておいていけば、そのうち泣き止んで遊びを始めるでしょう。
だけど、だからといって、放置してよい不安レベルではないと判断しました。

強い不安を感じている息子。「安心感を育てる」ことを目標に!

てんちゃんの状態は、不安が強くなりすぎて、不安メーターがふりきれてしまっている状態でした。そのため、子どもの不安への対応として、「安心感を育てること」を何より優先しようと心に決めました。てんちゃんの心の中に「安心感を育てる」ために試みたことをご紹介します。

不安の訴えを否定しない。安心感の中で不安が減っていく体験を重ねる

てんちゃんがやたら不安を訴えたとき、「ママここにいるやんか!」「トイレいっただけやん!」「何を言うてんの?!」「なんも心配することない!」「そんな不安にならんでいいから!!」って言いたくなる私がいます。でもそれでは、てんちゃんは、僕は本当に不安なんだ!わかってよ!と、もっと不安をアピールしてくるようになります。

だから、不安を否定せず、そのまま受け止めます。「そっか、不安になったんやな~」「ママここにいるよ~」「ごめんな~トイレいってて~ん」「大丈夫だよ~」って。

しずか~な、おだやか~なトーンで、なんならてんちゃんを、やさし~くふわ~となでたりしながら、そこに「安心感」を作り、共有します。それだけで、てんちゃんのドキドキ猛スピードで動いていた心臓が、ゆるやかに打ちはじめます「安心感」の中で、「不安が軽減していく感覚」をてんちゃん自身が体験することが大切です。「ふ~~~」ってママがゆ~っくり息を吐いてみせるものいいかもしれません。

これは一日や二日で結果がみえるものではありません。何も変わっていないようにみえても、ただこつこつ毎日、おだやか~に、ゆる~く、ゆ~ったりと呼吸しながら、「安心感」の中で不安が軽減されていく感覚を体験することを続けることで、いつか生活の中に温かい変化が訪れます。

こむずかしい解説は今日は割愛しますが、これは、神経系の理論に基づくアプローチです。「安心感を育む」こと。ぜひ試してみてください。

「ママと離れても心は一緒だよ」というイメージづくり

離れていても、ママと一緒だと感じれるアイテムをお子さんに渡すということは、母子分離不安に悩む親御さんによく提案されます。お母さんが作ったお守りだったり、小さいころから子どもが愛用している毛布の切れ端だったり、お母さんの香水をポタリとたらしたハンカチだったり…。中には、折り紙でつくった電話を持たせて、これでママに話しかけてね…と渡したママもいるとか。

そういったものも考えたのですが、てんちゃんはそれでは安心できないだろうな~と思い、悩んだ結果、私は、こんなものをてんちゃんに渡しました。

てんちゃんと私が一緒に写っている写真とメッセージを添えたミニアルバムです。
園バッグにしのばせて、さびしくなったり、不安になったら、それを見てねと言って渡しました。

てんちゃんがうまれたばかりの写真も入れると、「これ明日先生に見せるわ~♪」と、思いのほか、自分から登園するようなセリフが聞けました。実際、次の日の朝、いつものように登園しぶりが始まったのですが「あ!あの写真先生にみせたげてよ!」というと、「そうやった!」と言って、いつもよりスムーズに登園したのです。そんなこともあって、最初のころは、毎日、一枚写真を足すようにしました。それで、「明日もこれ先生に見せよう♪」というモチベーションになるよう願ってのことでした。
私とてんちゃんが、明日の写真選びをしていると、1歳年上のほっしゃんが寄ってきて、「僕もかかせて~」と。なに書くんかな?って思ってみてたら、こんな絵を描いてくれました。「だいじょうぶだよ!」って。お兄ちゃん、そんなこと書いてくれるなんて。泣けるーーー。

先生にあとでこっそり聞くと、まず最初、お友達に見せていたそうです。みんなが集まってきて、みんなに囲まれて、うれしそうだったと。で、そのあとは、時々自分のロッカーにいって、そーっとカバンからこれを取り出してみていたようです。

ママひとりで奮闘しない。先生とも共有しよう

年長で「ママ行かんといて!」と分離不安が爆発したてんちゃん。てんちゃんには、このミニアルバムはよかったと思います。つい先日、「ママ~、もうこのアルバムおいていくわ~。なくても大丈夫やわ~」って言ったんです。びっくりしました。もういらないって思えたんだってこともだけど、安心するためにもってるんだっていう認識がちゃんとあったんだって。

この体験を通して、たった5歳のてんちゃんだけれど、「不安になってもいいんだよ」「不安になってもまた安心できるんだよ」「だから僕は大丈夫なんだ」っていう感覚を、少しでも感じてくれていたらいいなと思います。

最後に欠かせないポイントをお伝えしたいと思います。ミニアイテムをもっていくとき、ぜひ先生としっかり共有してください。我が家の場合は、ミニアルバムをもっていく意図を伝え、「うまくいくかはわからないけれど挑戦させてほしい」とお願いしました。そして、てんちゃんが持ってきたときに、それをポジティブにうけとめてやってほしいとお願いしました。安心アイテムをもっていくことは、弱いことではないこと、だめなことではないこと、隠す必要がないこと(もちろんてんちゃんが隠したければ隠したらいいんですが)、いつかやめれるように頑張らないといけないことではないことを、母と先生との共通認識としたいことをお願いしました。そして、これは私は意図していませんでしたが、明日先生に写真を見せることが、てんちゃんの登園のモチベーションになりそうだったので、写真を見せてきたらおおげさにポジティブに反応してやってほしいとお願いしました。

本当にあたたかい先生で、「OKです!!!明日はどんな写真かな~楽しみ~って言います!」っていってくださいました。しかも、そのミニアルバムに、登園したら特別に1個シールあげるね♪って、特別なご褒美までつくってくださいました。感謝しかありません。先生のサポートがあったからうまくいった作戦です。

ミニアルバムには、「ママと離れていても、一緒だと感じれる」という効果以外にも、ひょっとしたらそれよりもっと大切な、「僕の不安が軽視されなかった」という感覚、「僕は不安になってもいいんだ」という感覚、そして、「ママは僕の気持ちをわかってくれた」という感覚を伝えれる効果があるように思います。

ましになってきているとはいうものの、まだまだ登園しぶり中のてんちゃん、今後もブログに登場するかと思います。登園しぶり対応中のママ・パパ、ぜひ一緒にがんばりましょー。

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